初めてのポゼット服用、そして夜。

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ポゼット(プリリジー)。この薬には、一つの「弱点」がある。 飲むタイミングだ。

効果が出るのは、服用から約1時間後。 つまり、「するのか、しないのか」が確定していないと、1錠1,000円を投じる決断がしにくい。

空振りに終われば、1,000円がただ体外へ排出されるだけだ。

だから、初めての夜は、 「薬が届いたから、今日しよ」 と、事前にストレートに誘った。

32歳の男が言うには、あまりにも色気がない言葉。 でも、僕にとっては、それくらい切実な「実験」だった。

脳がパニックになるほどの「違和感」

指示通り、1時間前にコップ一杯の水で流し込む。 副作用の吐き気を警戒していたが、幸い、特に体調に変化はない。若干、お腹周辺に違和感や気持ち悪さを覚えたくらいだ。

そして、その時はやってきた。

いつも通り。 いつもの流れ。

普通なら、このあたりで「その瞬間」が近づいてくる。 脳が勝手に興奮し、自分の意思とは関係なく、身体が終わりに向けてカウントダウンを始める。

「あ、くる」

そう思った。 逃れられない、いつもの絶望感。

……けれど、こない。

「えっ? まだできる……!?」

頭の中が、一瞬パニックになった。 いつもならとっくに限界を超えているはずの刺激が、なぜか「心地よさ」の段階で踏みとどまっている。

脳に届く信号が、薄い膜を一枚通したように、少しだけ穏やかになっている感覚。 自分の身体に、たしかな「ブレーキ」が備わっているのを感じた。

「これがSEXなんだなあ」という、二人での完走

焦らなくていい。 相手の顔を見る余裕がある。 「あと少し」が、ずっと遠くにあるように感じられた。

結局、その夜の僕は、 自分でも驚くほど、長い時間を「完走」した。

時計を見て驚いたわけじゃない。 感覚として、今までの「5秒」の積み重ねとは、まったく違う次元の時間が流れていた。

終わったあと。 部屋の中に流れる空気が、いつもと違っていた。

申し訳なさで目をそらす必要がない。 「ごめん」という謝罪も、気を使わせる「大丈夫だよ」という慰めも、そこにはなかった。

ただ、二人で一つの山を登りきったような、深い、深い達成感だけがあった。

「……はぁー」

妻が漏らしたそのため息に、すべてが詰まっていたと思う。 僕も同じことを思っていた。

ああ、これがSEXなんだなあ。

格好いい言葉なんていらない。 ただ、同じ歩幅で最後まで辿り着けた。 その事実だけで、胸がいっぱいになった。

1,000円の投資で、10年の呪縛を解く

1錠、1,000円。

高いとか安いとか、そんな次元の話じゃなかった。 「ロジックで、身体は制御できる」

その確信を得たことが、 僕にとっては、何よりも大きな収穫だった。

10年以上、自分を縛り付けてきた呪縛が、 化学反応というあまりにもあっけない方法で、解けた夜だった。

次回:「薬なしでも、できるようになっていた」

次回は、ポゼットを何度か使ううちに気づいた、ある変化について書きます。

薬で得た「できる」という自信。
薬で学んだ、身体のコントロール。

それが、その後の全てを変えることになった。

続きは、また次回。

タカハシ

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